工作から広がる想像力の森~しまなみ木のおもちゃ美術館で見つけた、木育・知育・地育の時間~

2026年3月、全国で15館目となる「しまなみ木のおもちゃ美術館」がイオンモール今治新都市内にオープンしました。
館内に一歩足を踏み入れると、ふわりと漂う木の香り。
木に触れ、木で遊び、木のぬくもりを感じながら、「木っていいな」「暮らしに取り入れてみたいな」と思ってもらうことを大切にしている施設です。
しまなみ海道、村上海賊、造船、柑橘…。
今治らしさが詰まった空間は、まさに「美術館」と呼ぶにふさわしい完成度。
そんな話題の施設で、手作りおもちゃ体験ができる「おもちゃこうぼう」が始まったと聞き、訪ねてみました。
このレポートの執筆者は?
中学校1年生の娘がいる、パパライターが担当しました。
遊びながら、今治を知る。旅する
美術館の監修は認定NPO法人芸術と遊び創造協会。
イオンモール今治新都市が設立し、FC今治(今治.夢スポーツ)が運営しています。全国のおもちゃ美術館で培われたノウハウをもとに、今治ならではの地域資源を取り入れた展示や遊具が並びます。
「しまなみおおはしと海」ゾーンでサイクリング&バーべキュー
まず、目に飛び込んでくるのが「しまなみおおはしと海」エリア。
竹製のバイクにまたがれば、しまなみ海道をサイクリングしている気分に。足元には約3万8,000個のヒノキのたまごで表現された大海原が広がります。
その海の中には、カニやエビ、セトガイなど瀬戸内ならではの生き物たちが隠れています。見つけた魚介をバーベキューセットで、浜焼きごっこを楽しむことができます。
造船のまち今治らしい船づくり体験や進水式ごっこができる遊具も。
能島の村上海賊をイメージした船や櫓に登れば、まるで海賊気分です。
木のお店屋さんで、今治グルメをつくろう
本物の菊間瓦を使った「おもちゃ横丁」も人気スポット。
ラーメン屋さん、鯛めし屋さん、お寿司屋さん、こま屋さん、フルーツパーラーなどが並びます。木でできた具材を組み合わせて鯛めしを完成させたり、今治名物の焼豚玉子飯をつくったり。
お店屋さんごっこをしながら、今治の食文化にも自然と触れられます。
柑橘王国・今治を体験する「ごっこファーム」
木でできた段々畑では、柑橘の収穫体験も。
しまレモンやキウイフルーツ、みかん、野菜などを収穫。
みかんは選果機に運び、サイズ別に仕分けされます。
その奥には本物のクヌギの木。
カブトムシやクワガタ、カミキリムシなどを探しながら、自然の中で遊ぶ楽しさも味わえます。
そして、「つみきぶたい」に並ぶのは、ここにしかないみかんのつみき。今治市役所の協力のもと市内のみかん農家から集めたみかんの木でつくられました。
遊びながら、今治の自然や産業、文化を知る。そんな体験が館内のあちこちに散りばめられています。







正解のない遊びが、子どもの想像力を育てる
今回訪れた目的は、てづくりおもちゃ体験ができる「おもちゃこうぼう」。
紙コップや紙皿など身近な材料を使って、親子でおもちゃ作りを楽しむ体験プログラムです。
テーマは毎週変わり、この日はアイスクリームづくり。会場には夢中で手を動かす子どもたちと、それを見守る保護者の笑顔があふれていました。
館長の栁原さんはこう話します。「テレビやスマホのゲームは目指すゴールが決まっています。でも、ここでの遊びには決まったゴールはありません。自分で工夫して新しい遊び方を見つけることができます」「親子で一緒に遊ぶことで、子どもの新しい一面に気づくこともあります。ここには遊びの制限がありません。」
完成させることが目的ではなく、考えること、試すこと、楽しむことが目的。
それが木のおもちゃならではの魅力なのかもしれません。
そんな、親子の遊びを支えているのが、「おもちゃ学芸員」と呼ばれるボランティアスタッフ。現在の登録者数は128名。学生から70代まで幅広い世代が参加しています。
78歳のおもちゃ学芸員・中川さんは、「自分自身が楽しむことを大切にしています」「以前は笑顔をつくっていました。でもここでは、自然に口角が上がるんです。」と話します。





小さなお子さまも安心。木のぬくもりに包まれる空間
館内には乳幼児連れにもうれしい工夫もたくさんあります。
0〜2歳のお子さまと保護者だけが利用できる「赤ちゃん木育ひろば」は、杉材を使った床はやさしい肌触りで、木の香りに包まれた落ち着いた空間です。
赤ちゃん木育ひろばのおもちゃは、口に入れても安心な素材を使用し、毎日丁寧に消毒されています。保護者にとっても安心して過ごせる環境が整っています。
また、ひろばには今治市が赤ちゃん誕生のお祝いとして贈呈している「しまなみ組木 ゆらりん」も展示されています。実は今治市は2024年に「ウッドスタート宣言」を行い、木育の推進に力を入れてきました。しまなみ木のおもちゃ美術館の誕生も、そんな取り組みの延長線上にあります。
施設と地域と行政が一体となって木育を支えています。




一度では遊び尽くせない、しまなみ木のおもちゃ美術館
イオンモール今治新都市の中にあるため、駐車場や授乳室などの設備も充実。気軽に立ち寄れるのも魅力です。これから迎える夏休みシーズン。ゆったり楽しむなら平日の来館がおすすめです。今治市民の方は、市内在住を証明できるものを提出すれば割引のメリットも。
そして、この施設の魅力は一度では味わい尽くせません。季節ごとのイベント、何度来ても発見がある遊び、おもちゃこうぼうの新しいテーマ。だからこそ、平日半年パスポートを利用して繰り返し訪れる家族も増えています。
木のぬくもりを感じる「木育」。
子どもの想像力を育む「知育」。
そして、今治の自然や文化を感じる「地育」。
しまなみ木のおもちゃ美術館は、木育・知育・地育が叶う場所。遊びの先にある豊かな時間を、親子で見つけに行ってみませんか。




MAP
お問い合わせ
- しまなみ木のおもちゃ美術館
電話番号:0898-52-4477
住所:愛媛県今治市にぎわい広場1-1 イオンモール今治新都市 1階
営業時間:10時~17:00
休館日:毎月第3水曜日
※祝日の場合は開館。翌日振替休館あり・年末年始休館あり
入館料:
【一般】
6ヶ月未満 無料
こども(6ヶ月~小学生) 1,100円
大人(中学生以上) 1,300円
障がい者手帳をお持ちの方(本人) 無料
※オンラインによる事前販売割引、団体割引あり
パスポート(平日半年)
こども(6ヶ月~小学生) 2,900円
おとな(中学生以上) 3,900円
【今治市民】
6ヶ月未満 無料
こども(6ヶ月~小学生) 750円
大人(中学生以上) 950円
障がい者手帳をお持ちの方(本人) 無料
※団体割引あり
【おもちゃこうぼう】
平日(月~金曜日) 11:00~11:30、13:30~14:00
各回15分程度
※予告なく内容の変更や中止となる場合があります。あらかじめご了承ください。